PFA分解容器の種類
分解容器に関するご注意
- 分解容器での作業には十分な技術的知識や分解作業の経験を要します。圧力がかかる分解作業では、内容物の温度と圧力が短時間で非常に高くなります。特にマイクロウェーブオーブンでの作業は顕著です。正しい用法と安全準備のもとに作業を進めてください。また、以下の記載事項以外にも列記不可能な危険事項が多数存在することをご認識願います。
- 分解作業は安全への厳重な配慮および分解時の物質反応への知識と設備が必要とされます。顔・手・体などに防具をしたうえ、ドラフトチャンバー内での作業を推奨いたします。
- 各容器容量の半分以上は入れないでください。60mlの容器は最大30ml、120mlの容器は最大60mlが容量の限界となります。なるべく最小限の試料・試薬で、分解作業は基本的に短時間で実施してください。
- 蓋の締付けにはレンチセット(型番:730-0055)をご使用ください。レンチセットで18フィート重量ポンドの力で締める、もしくは手で限界まで締めた箇所から最低1/4回転締めてください。
- 38℃での最大耐圧は0.52MPa(75PSI)です。38℃から1℃上昇するごとに耐圧は6.9kPa(1PSI)ずつ低下します。
- コンベクションオーブンでは加熱しないでください。温度管理されたマイクロウェーブオーブンまたはホットプレートでご使用ください。
- 熱源の操作方法や特性、試料および試薬の量は分解作業開始前に必ず厳密に確認・特定してください。容器内に発生する温度および圧力は、内容量、加熱時間、熱源の温度設定に依存しています。また、使用前には容器・蓋に異常がないか必ずご確認ください。
- 最初は蓋は締めずに開けたまま最小限の試料・試薬でテストを行ってください。分解作業は基本的に短時間で行い、必要の場合のみ加熱時間と量をご調整ください。
- 分解後は十分に冷めるまで容器を開けないでください(目安:室温)。その後、注意してゆっくりと蓋を緩めてください。内容物が熱く圧力が掛かっている場合は、蓋を緩めた時に吹出す可能性があります。
- いかなる場合も、変形や漏れが見られる場合は、ただちに使用を中止ください。異常な温度・圧力上昇が見られる場合は容器・蓋の劣化が予想されます。使用を中止し新しいセットと交換してください。
- 分解容器を交換する場合は、容器と蓋をセットで交換してください。容器もしくは蓋のどちらか片方だけを交換してのご使用は推奨しておりません。(片方に劣化が偏ることを防止するため)
- 金属、無機炭酸塩、無機重炭酸塩、硫化物、石灰石、大理石、セメント、その他の類似物質は、分解時に多量のガス・蒸気が発生します。その上で作業を進める場合は、発生したガスの圧力で容器にダメージを与えないように、蓋を取るか、もしくは十分に緩めた状態で加熱すると不溶残渣を得ることが可能です。
- 有機物質は分解と同時に二酸化炭素等のガスが発生します。蓋を取るか、もしくは十分に緩めた状態で加熱すると不溶残渣を得ることが可能です(蓋を閉めて分解作業を行うためには酸化物を最小限に抑える必要があります。)。全ての有機化学物質、動植物組織、紙、樹皮、葉、木、草、繊維素、合成・天然繊維、織物、樹脂、重合体、塗料、油、油脂、食品、染料、皮革、ゴム、絶縁体にも適用されます。 過塩素酸、無機・有機過塩素酸塩、クロム酸、過酸化水素等の強酸化剤は、前項の有機物質と激しく反応します。そのため、全ての有機物は硝酸で予め溶解し、不溶残渣のみを強酸化剤で処理します。
- 過塩素酸および過塩素酸塩は非常に不安定で爆発の危険性があります。
- マイクロウェーブオーブンでの加熱時は内容物の温度が急速に上昇しますが、容器の温度は遅れて上昇します。容器の耐熱温度を超えないようにご注意ください。
- 容器交換などのために新たにご注文の場合は容器と蓋は必ず一緒にご用命ください。