PFAグラファイトホットプレート/HPXシリーズ

特長

グラファイトホットプレートHPXシリーズは、粒子が細かいグラファイトを原料にした天板をPFAでコーティングすることで汚染を排除したホットプレートで、極めて均一で汚染のない試料分解が要求されるICP-MSの微量元素分析の前処理用に開発されたホットプレートです。
従来とは異なる方法で天板を製造し表面の凹凸を排除したことでPFAコーティングの剥離を防止。熱伝導性が高い天板に加えて熱源を多く配置するなど、温度分布性と純度を追求しています。
厳格な分析結果が求められる地球化学分野や半導体分野をはじめ、あらゆる高純度分析に貢献します。

※グラファイト(石墨(せきぼく)・黒鉛(こくえん))は熱や薬品に強く熱伝導性にも優れた素材で、膨張率が低いためフッ素樹脂コーティングに適した素材です。

HPXシリーズのポイント

• 高品質グラファイト天板をPFAでコーティングしあらゆる試料に耐性
• 複数の熱源ヒーターカートリッジを配置し卓越した温度分布性を実現
• 天板の端近くまで均一に加熱、有効加熱面積が広く一度に効率的な処理が可能
• 通常より粒子の細かいグラファイトを加圧成型、滑らかな天板表面を形成
• 天板表面が滑らかなため加熱容器と密着しやすく優れた熱伝導性を実現
• 天板に凹凸がなくPFAコーティングの剥離に強いため長期間使用可能
• 天板に手や腕が直接触れないように本体外周にはPTFE製のガードを設置
• コントローラーのコードが長くドラフトチャンバー外での操作が可能
• 天板幅約21cmのHPX-100と天板幅約42cmのHPX-200の2種類

HPXシリーズ 高品質グラファイトを使用した天板

一般的な押出成型で製造されたグラファイト天板には深い窪みや不均一な凹凸があり、PFAコーティングの定着性や加熱容器との密着度に不安があります。
HPXシリーズは、非常に細かな粒子（約1/50)のグラファイトを一般的な押出成型ではなく加圧成型することで、極めて滑らかな表面を形成しています。
凹凸が少ないことで耐久性に優れたPFAコーティングを実現するとともに、加熱対象との接地面積の向上によりグラファイトの特長である熱伝導性をさらに引き出しています。

一般的なグラファイト天板

深い窪みの底にPFAコーティングが届かず、コーティングの際に空洞や亀裂が発生します。劣化の進行により、窪み部分からのコーティングの剥離や汚染物の沈着がコンタミネーションを引き起こします。

HPXシリーズのグラファイト天板

HPXの天板は通常より粒子が細かいグラファイトを加圧成型。非常に滑らかな表面をPFAでコーティングすることで、剥離と汚染がなく耐久性に優れたコーティングにより汚染がない加熱を実現しています。

HPXシリーズ 卓越した温度分布性

優れた温度分布性のポイントは熱源ヒーターカートリッジの数にあります。ヒーターカートリッジの数は温度分布性に直接影響し、設定温度への到達時間にも関係します。
通常、HPX-100と同サイズのクラスでは2個が一般的ですが、HPX-100には3個（HPX-200には4個）のヒーターカートリッジが内蔵されています。
温度カメラの計測結果に見られるように、HPX-100は有効加熱面積が広く一度に均一条件での加熱処理ができるため効率的です。
また、粒子が細かいグラファイトを原料としたHPXシリーズの天板は一般的なグラファイト天板より凹凸やうねりが少なく、さらなる効果が期待できます。

一般的なグラファイトホットプレート

市販同等品のグラファイトホットプレートでは温度分布にばらつきが多く、中央部の2つの熱源に最高温度帯が集中していることが確認できます。天板と外周の色に差がないことから接触時に危険が及びます。

HPXシリーズ

四隅にわずかな温度差が見られる以外には、天板温度が極めて均一であることが確認できます。外周の紫色の部分はPTFE製ガードで、天板より低温であることから安全性への配慮が確認できます。

製品一覧

さらに詳細情報をご覧になりたい方は、下記表の品番、カタログ(pdf)、テクニカル資料(英文)、製品図面よりご確認願います。