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サビレックス - DSTシリーズによる酸の蒸留結果
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DSTシリーズによる酸の蒸留結果

高純度酸を取り巻く現状

ライフサイエンス・医薬・地球科学、環境分析・半導体・エレクトロニクス・化学などの分野では、分析機器の感度・精度向上に伴い、超微量元素の分析が頻繁に行われるようになりました。また、ICP-MSといった分析装置の普及に伴って、極めて高いレベルでの感度分析が広く行われるようになり、使用する試薬に関しても厳しいスペックが要求されるようになりました。分析機器の検出感度はppbからpptへと移り、中でも半導体などの分野では、さらに厳しいレベルの感度が要求されるようになっています。

市販の高純度酸のグレードは、特級、精密分析用、ICP分析用など、各試薬メーカーで様々なグレードに分けられていますが、高純度化の要求に伴い試薬の価格も上昇し、研究施設にとって調達コストが大きな負担となっています。特にICP質量分析法の前処理に用いる酸の純度は検査結果に大きく影響するため神経を使います。

サビレックスの非沸騰式酸浄化システムでは、蒸留処理によって市販のppbレベルの硝酸・塩酸・フッ化水素酸をpptの検出レベルに浄化することができ、高純度酸の購入コストを削減に貢献することが可能です。

サビレックス酸浄化システムによる酸の蒸留

下記表はアメリカの半導体研究所によって評価された非沸騰式酸浄化システムでの処理結果です。

  • 使用製品:DST-1000
  • 蒸留対象:市販の⾼純度酸(1ppbグレード)
  • 比較対象:直前に開封した市販の超⾼純度酸(10pptグレード)
  • 蒸留環境:クリーンルーム内(クラス1)
  • 蒸留回数:1回
  • 検出機器:Agilent7500cs・8800ICP‑MS
検出限界市販(10pptグレード)1ppbグレードをDSTで蒸留
Li1<1<1
Na11<1
Mg12<1
Al11<1
K1<1<1
Ca1<1<1
Cr151
Fe174
Ni171
Cu164
Zn1<1<1
W1<1<1
Hf1<1<1
Mn1<1<1
Ti1<1<1
Co1<1<1
Ge1<1<1
Sb1<1<1
Te1<1<1
Ag1<1<1
Au1<1<1
Gd1<1<1
La1<1<1
Pt1<1<1
Sr1<1<1
Zr1<1<1
In1<1<1
Mo12<1
Ta1<1<1
Be1<1<1
V111
As122
Cd1<1<1
Cs1<1<1
Ba1<1<1
Pb1<1<1
検出限界市販(10pptグレード)1ppbグレードをDSTで蒸留
Li1<1<1
Na1<17
Mg1<1<1
Al116
K1<12
Ca124
Cr153
Fe12017
Ni1292
Cu114
Zn171
W1<1<1
Hf1<1<1
Mn1<1<1
Ti11301
Co111<1
Te1<1<1
Ag1<1<1
Au1<1<1
Gd1<1<1
La1<1<1
Pt1<1<1
Sr1<1<1
Zr1<1<1
In1<1<1
Mo112
Ta1<1<1
Be1<1<1
V1<1<1
As1376
Cd1<1<1
Cs1<1<1
Ba1<1<1
Pb1<1<1
Hg11<1
検出限界市販(10pptグレード)1ppbグレードをDSTで蒸留
Li1<1<1
Na1<16
Mg12<1
Al186
K133
Ca192
Cr113
Fe119
Ni1<11
Cu1<12
Zn123
W1<12
Mo31
Ti1<16
Co1<1<1
Ge1<1<1
Sb1<1<1
Rh1<1<1
Rh1<1<1
Be1<1<1
V1<1<1
Mn1<1<1
Zr1<1<1
Ag1<1<1
Cd1<1<1
Sn1<1<1
Cs1<1<1
Ba1<1<1
Hf1<1<1
Ta1<1<1
Pb1<1<1

【特記事項】
酸の濃度は蒸留の前後で変化する場合があります。市販の硝酸を蒸留する場合、蒸留の前後で基本的に変わりません。これは、蒸留に使用する酸の濃度が共沸濃度(65~70%w/w)に非常に近いためです。
塩酸とフッ化水素酸の場合、共沸濃度は市販の酸の濃度よりも低いため、蒸留の前後で濃度は異なります。回避する最も簡単な方法は、蒸留に使用する酸を共沸濃度に⼀致するように希釈する方法が挙げられます(HClの場合は20%w/w、HFの場合は37%w/w)。こうすると、希釈前の酸と蒸留後の酸の濃度は変わりません。
より⾼濃度の蒸留が必要な場合は、酸を希釈せずに蒸留し、必要に応じて蒸留後に酸濃度を測定します。